2017年8月11日金曜日

米中戦争






 「米中戦争-そのとき日本は」を読みました。渡部悦和(よしかず)さんは、元陸上自衛隊東部方面総監で、現在ハーバード大学アジアセンターで、日米中の安全保障関係を研究しています。この本は、日米戦争が起きた時のシュミレーションをしたもので、その時に備え、日本が電磁レールガンなどの開発を加速させ、中国のミサイルによる飽和攻撃に備えるように提言しています。

 日本の現状、アメリカの現状、中国の現状を良く知っておられ、研究に研究を重ねておられるので、これから起きることの参考になります。中国軍は急成長しつつあり、やがてアメリカ軍をしのぐようになって、日本を含めたアジア地方は、中国の支配下に入る可能性が、とても高いのです。特に、サイバー戦、宇宙戦では、すでにアメリカの上を行っています。

 今現在も、日本に住む私たちの頭上では、中国の軍事衛星が、いつでも日本に攻撃を仕掛けられるようになっています。そして、中国がずっと言って来たことは、日本こそが敵国であって、滅ぼさなければならない国であることです。ただ、アメリカと同盟を築いており、今は、アメリカの力が中国を総合的に凌ぐので、米中戦争の時を待っています。アメリカは、先制攻撃はしません。

 ただし、この本が出されたのは、昨年の秋でした。その後、「中国の台頭を歓迎する」と公言していたオバマ大統領に代わり、その路線の継承者であるヒラリーさんではなく、トランプさんが大統領になったために、この本の予測は大きく外れて、アメリカは強くなりつつあります。中国も、米中戦争、日本侵略が、容易ではない事態となってしまいました。野望が砕かれました。

 けれども、アメリカの親中派はトランプおろしに必死で、CNNなどのメディアが偽ニュースを流してイメージダウンを狙っています。現安倍政権も朝日新聞を中心に、偽ニュースを流して、必死に倒閣運動をしています。たぶん、トランプ政権は潰されず、安倍政権も安泰だと思いますが、油断はできません。この本が分析する、台湾有事、南沙諸島有事は、備えておく必要があります。

 しかし、今年初めから始まった、北朝鮮の原爆実験、ミサイル発射の新展開は、朝鮮有事のシナリオの方が先行する勢いです。今年中の朝鮮有事と言われていたものが、今月にも空爆が始まりそうな勢いです。そうなりますと、倒れた北朝鮮の政権を、アメリカが中国に任せる可能性もあります。南北統一でなく、北が中国、南が米国と二分されるかもしれません。

 いずれにせよ、中国の主張する第一列島線、第二列島線の線上に、日本があるのですから、米中戦争の戦場は日本になる、ということです。p27の図は、日本を盾に縦断する列島線を、筆者が加筆したもので、日本の置かれた立場がよくわかります。つまり、この米中戦争に巻き込まれるしかないのです。軍事費が中国の五分の一ぐらいしかない日本は、戦いようがありません。

 中国の兵士は、反日教育が行き届いていて、「日本人を捕虜にした場合、殺せますか」という問いに、半数以上の兵士が、「殺せます」と答えていると聞きます。南京大虐殺の報復として、東京大虐殺をしてやる、という声も聞きます。降伏すれば無事だというのは、ありえない話です。日本は戦争によって征服はされないで、交渉によるのだと言いますが、虐殺は逃れられません。

 神なき国に侵略されるよりは、神さまを信じ、人権と自由を重んじる、アメリカと協力したほうがいいと思います。そのためにも、日本も軍備を整えて、侵略を防ぐべきだと思うのですが、憲法九条を信奉する人々は、抵抗すべきではない、アメリカとの安保条約を廃棄せよ、と言います。自分が虐殺されてもかまいませんが、家族や子どもたちがかわいそうです。

 そんなことも思いながら、ちょっと専門的な、また、半年遅れだったなあ、と思われる本を読みました。ほんとうの平和は、武力で侵略してくる相手に、武力をもって拮抗することだ、というのはその通りだと思います。強盗に襲われて、両手を挙げて、妻も子どもも殺してくださいでは、人間としてどうよ、と思うのです。ちょっと、シュミレーションしてみませんか。









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