2017年7月19日水曜日
イスラエルとパレスチナ(1)
イスラム国の次はイスラエルです。「イスラエル国家が消滅しない限り、我々の戦いは終わらない」とは、オサマ・ビンラディンの言葉でした。戦いとは、2001年の貿易センタービル爆破に始まる、アルカイダを初めとしたイスラム教過激派のアメリカとの戦いです。
アルカイダは、ソ連がアフガニスタンに侵攻したために(1979-1989)、アメリカのCIAが育てた「義勇兵」の残党のことです。タリバンも同じです。また、イスラム国もアメリカが生みました。イラク戦争で、フセイン政権が崩壊すると、シーア派のマリキ政権が生まれますが、スンニ派は反発してファルージャに、過激組織イスラム国を作ったのでした。
もともとアラブ国家に「国境」というものは存在しません。けれども、キリスト教国がやって来て、十字軍は、暴虐の限りを尽くしました。オスマン帝国がイスラム教徒に国土を奪還しますが、第一次世界大戦後は、イギリス、フランス、ロシアによって、国土は線引きされ、バラバラにされました。血でつながった家族、アラブは、西欧の「民主主義」によって、引き裂かれたのでした。
さらには、2001年の同時多発テロ以降、アメリカは「十字軍の使命」「正義の戦争」と言って、イラク戦争を開始します。イスラム国も、機関紙ダビークに、「十字軍との最終戦争」を宣言したのです。十字軍の中には、囚人や犯罪者がたくさんいて、イスラム国に劣らぬ残虐行為をしました。聖地エルサレムは、キリスト教が異教徒を殺戮する場所となりました。
イスラム国は、その残虐行為で恐れられますが、それは別にイスラム国に限らない。イスラム教自体が、「大虐殺、非寛容、抑圧、憎悪、世界支配」という五つの要素で成り立っているのです。ただ、イスラム国は、それをインターネットで写し、世界に発信しただけです。世界の多くが、残酷であることを、日本人はわかっていません。
無実の人を捕らえ、生きたまま内臓を取り出して売買し、チベット、ウイグル、南モンゴルの人々を弾圧し、近頃は、ノーベル賞受賞者をなぶり殺しにした、かの中国も「平和国家」と自称しているのですから、憲法改正を公にした安倍内閣を、マスコミがどんな汚い手を使っても引き下ろそうとしている今、尖閣、福岡、北海道、青森、対馬と中国船が入って来ていることに、私たちは警戒の目を向けるべきです。残酷支配は、近づいているのです。
2017年7月18日火曜日
イスラム国
イスラム国の残酷さは、私たちが今、旧約聖書で学んでいる「アッシリヤ人」にさかのぼります。アッシリヤ人は「明確な軍事政策として、組織的に、拷問と大量虐殺に着手し、他民族を怯えさせ、降伏させる手段とした最初の民族」でした。イザヤの言う「アッシリヤの日」の恐怖は、イスラム国の日に等しい、恐怖でした。
現在のイスラム国の指導者は、古代メソポタミヤのアッカド帝国を建設した、『戦争の王』と呼ばれるサルゴン王のよみがえりかもしれません。ハムラビ法が「目には目を」という刑罰を定めなければ統治できない地域でした。サルゴン王の領域は、イスラム国が主張する領土と重なります。それが「恐怖政治」であることも同様です。
「イスラム法」(シャリーア)は「水場に至る道」が語源です。水が命の世界です。パレスチナの難民キャンプに、日本の森林の清流の写真が貼ってあって、「この世に、こんな楽園がほんとうにあるの? こんな綺麗な水が流れている世界があるの?」と聞かれたとあります。
「日本は奇跡の国です。四万十川を見た時、涙が止まりませんでした。神様は、この世に、こんなに美しい世界を創造なさったのか! 私はなぜ、日本人が優しく礼儀正しいのかわかりました。」 とは、アフリカの青年の話だといいます。「日本人は天国の住人です」というのです。
だから、今、中国人は、日本の水資源をみさかいなく買いあさっているのです。私たちは、自分たちの住んでいる日本が、特別な神様の恵みだということを知らなすぎます。中東で起きていることは、遥か遠くのことのようで、日本と無関係ではない…危機は迫っているのです。
「ダビーク」というイスラム国が発行する雑誌がロンドンを拠点に売られています。ダビークは、イスラムとキリスト教が最終戦争(ハルマゲドン)を迎えると信じられている、シリア北部の地名です。 ヨーロッパに住む若い世代のムスリムに、ダビークは、「イスラム国に帰れ」と呼びかけます。その最終的なシナリオは「核戦争」です。
アラブ諸国の人々には、敵の首を切り、女を性奴隷にすることは、ふつうのことです。それは、ムハンマドがしていたことで、敵を斬首し、戦利品の女性を性奴隷としたからでした。イスラム教の説教者の多くは、歴史的な解釈などしないので、ムハンマドの時代に行われたことを、そのまま現代にあてはめます。それで、千五百年前の蛮行が、今も行われているのです。
ですから、根本的な解決は、地道な教育しかない、と言います。政府が、教科書や、モスクの教育に介入して、現代の知識を伝えていくことで、穏健的なイスラム教徒を育て、民主主義の考え方を広めていくことです。しかし、現代日本でも、教育は偏向しており、民主主義も伝わっていませんから、困難の道のりかな、と思います。アメリカの軍事介入は、火に油を注ぐだけです。
イスラム国と言っても、シリヤとイラクの反政府勢力ばかりでなく、チェニジア、サウジアラビア、モロッコ、ロシア、フランスなど、80か国以上の多国籍軍となっています。米海兵隊の精鋭部隊も、700人近く在籍している、と言われます。それは、イスラム国が言葉巧みに、「地上の楽園」をアピールしているからです。ムハンマドの後継者が最高権力者となる、「カリフ制」の復活です。それは、キリストの「神の国」に似ています。北朝鮮の「地上の楽園」とも似ています。
イスラムの自爆テロをする男性は、直前に、性器に香水を振りかけるそうです。それは、ジハード(聖戦)で死んだ男は、天国で72人の処女に囲まれて、永遠の楽園生活を送ることができる、という信仰があるからです。イスラム諸国で、貧しい男が結婚など、生涯できないばかりか、女性に近づくこともできません。結婚は大金持ちだけのもの、結婚以外の性交渉は死刑だからです。
しかし、土地の人々は、「イスラム国はイスラエルの傀儡政権」と信じています。また、「イスラム国を生んだのはアメリカ」とも。指導者のバグダディ(先ごろ、ロシアの空爆で死んだとされる)が、長年にわたってイスラエルのモサドで訓練を受けたスリーパー(工作員)だと言うのです。イスラム国の戦闘員になると、アメリカは、その旅費を500ドル支払うというのです。
しかし、アラブ諸国にとって、最大の脅威はイスラエルです。それは、アラブ諸国が「王制」によってしか成り立たないのに、イスラエルが「民主制」をとるからです。民主制は王制を破壊する脅威なのです。アラブ人が、パレスチナ難民を救う財力があっても、一向に手を出さないのは、「イスラエルによる迫害」を演出し、イスラエルに敵意を向けるためです。しかし、アラブがイスラエルの「民主制」を認めるだけで、ことは解決します。ただ、王様は民主制が怖いのです。
先に触れたイスラム国の機関紙ダビークが、「イスラム国の日本人への宣戦布告」を巻頭言に挙げたのは、安倍首相が「カイロ演説」で、「イスラム国のもたらす脅威を少しでも食い止めるため、イスラム国と戦う周辺諸国に、2億ドルの支援をします」と語ったことが決定的だったと言います。もちろん、アメリカが言わせたのでしょうが、そのために、2020年の東京オリンピックは、テロのターゲットになってしまいました。今や、日本はテロ戦争に巻き込まれたのでした。
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