2017年9月28日木曜日

嘘に騙されない






 高山正之の「中国と韓国は息を吐くように嘘をつく」を読みました。ただし、タイトルと内容はあんまり関係ない。世界に起きていることの「見かけ」と「真実」とが、あまりにかけ離れているということを、さまざまな例を挙げながら、明らかにしている本です。もちろん、推論もあります。


 真珠湾にルーズベルトは「おとり」を置いて、日米戦争を仕掛けました。戦争を仕掛けるおとりは、250人ぐらい。ジャクソン大統領がメキシコと開戦するのに、アラモノの砦で義勇軍250人を見殺しにして、「アラモを忘れるな」とやりました。マッキンリー大統領も、戦艦メインをハバナ湾で爆発させ、266人を殺して、スペインと開戦しました。だから、おとりに死ぬのは、250人ぐらい。

 それで、太平洋艦隊を真珠湾に集めた時にも、「水深14メートルの湾では魚雷が使えない」「日本人はおんぶして育つので、三半規管がおかしく、急降下はできない」(軍事評論家フレッチャー・プラット)という判断から、250人と踏んでいました。ところが、19発の魚雷が米艦隊の横腹に大穴を開け、急降下爆撃で戦艦アリゾナが沈みます。戦死した軍人は、2800人に及びました。

 ルーズベルトの目論見は外れました。その後、欧米の植民地は日本軍によって次々と解放され、アジアの人々は、白人が降伏して行く姿を見て、白人は神のような存在だという「白人神話」から自由になりました。ルーズベルトは、自分が仕掛けた戦争で、欧州から植民地を奪ったという責めを負います。しかも、アジアを解放した日本を叩けば、「日本はアジアの解放に殉じた英雄になってしまう」(コーデル・ハル)という、窮地に立たされました。

 それで、マンハッタン計画となりました。ルーズベルトの後を継いだトルーマンは、躊躇することなく、広島、長崎に原爆を投下し、一瞬で20万人を焼き尽くしました。アメリカは再び、神となりました。アメリカのオバマ大統領は、昨年初めて広島を訪れ、その偉大な成果を再確認しました。オバマは、原爆投下に拍手する人物ですが、しかし、安倍晋三首相は、アメリカと日本の同盟のために、この和解劇の準備をして来たと言われています。日本の未来のために。


 アメリカはずっと、国際紛争で利益を得てきました。そのためにCIAが組織され、中東に干渉を始めます。イランのモサデク首相は、石油の国有化をして、イランの国益を担保しました。CIAは市民デモを起こし、モサデクを降ろして、パーレビを国王にすることで、石油利権の四割を得ました。このパーレビが中東に指導力を持つようになると、狂信的なシーア派を扇動して、ホメイニ師を立てました。アメリカは、イランゲートを使って、武力援助を続けました。

 次はイラクでした。フセインは、イスラムでは中東は統一できないと、イスラムを捨て、アラブ民族主義で中東を統一しようとしました。今はイスラム国となった過激な人々も、フセインのもとでは幸せに暮らせました。しかしアメリカは、「大量破壊兵器を持っている」「フセインはシーア派を虐殺したスンニ派の親玉」として、シーア派に怒りを抱かせ、彼を虐殺させました。今は、イラクは、シーア派とスンニ派の殺戮の場所となってしまいました。

 その次にリビア。カダフィーを倒すために、CIAは「アラブの春」を演出しました。指揮をしたのは、国務長官だったヒラリー・クリントンでした。反カダフィー派に武器を供与し、NATO軍機を5000回も出撃させて、カダフィーを殺しました。アラブの春は、エジプトにも飛び火し、ムバラク政権も倒れました。こうして中東は、有能な指導者が倒され、混迷の中に陥れられました。

 次にヒラリーは、シリアのアサドを倒そうとしました。すでに「悪者アサド」のプロパガンダは功を奏していました。ところが、ヒラリーがシリアのベンガジの大使に、反政府組織に武器を送るように私的なメールをした後で、 大使館が襲われ、大使が殺されます。「大使館が武器商人だった」というスキャンダルを恐れて、ヒラリーは国務長官を辞任し、病院に逃げ込みました。ところが、大統領選挙で、このメールの中身が事件となってしまいます。

 2015年の10月に、共和党のヒラリー査問会は、「ヒラリーは、アラブの安定を崩すために、アラブの春を演出させた。リビアをつぶし、次にシリアにアメリカ製の兵器を運び込む算段をしていた時に、アメリカの大使が、ベンガジで、予期せぬ攻撃を受けて殺された」件をとり上げました。 ヒラリーもたじたじでした。人種差別国家のノルウェーは、ノーベル賞を授与として、チェニジアのアラブの春を称賛した…その背後に、ヒラリーの金儲けがありました。


 夫のクリントンも、在任中に行っていた「人体実験」の謝罪をしました。アラバマ州のタスキギーの人体実験で、1930年代から40年間、黒人の梅毒患者を治療せずに、感染の拡大を観察していたもので、400人が犠牲になりました。1972年に、AP通信の女性記者が記事にし、実験は中止されましたが、それから27年後の1999年に、初めて謝罪がありました。それをきっかけに、グァテマラなどでの人体実験が明るみに出ました。

 タスキギーの人体実験は、「黒人の性生活の調査」も行っていました。その結果、夫婦と子供五人の家庭の場合、四人は父親の子供ではないという結果が出て、黒人コミュニティーの乱交状態がわかりました。それを受けて、黒人を淘汰するためには、性感染で致死に至る病気が有効だという研究が始まり、その10年後に、出所不明のHIVが登場したのでした。


 アメリカは狡猾なのに、日本人は「真実」ではなく、「見かけ」にすぐに騙されてしまいます。戦後、アメリカは日本を支配するために、「自虐史観」を植え込みました。アメリカは、20万人を原爆で殺した罪を、「日本人が悪かったからだ」と責め続けることで、言い逃れをしようと決めました。そのために、アメリカの手先になったのが、朝日新聞でした。

 自虐史観が色あせ始めた時に、朝日新聞の中江利忠社長は、アメリカの国務長官の指示で、従軍慰安婦問題を捏造しました。その後、広岡知男社長は、南京大虐殺事件を捏造しました。ところが、アメリカにもっとやれと言われて、中江利忠は、「都城23部隊の残虐」という補強をしましたが、部隊の生存者の訴えで、偽写真だとバレ、謝罪を求められましたが、証拠の開示を「秘守義務」があると、固辞しました。一柳東一郎社長は、サンゴ礁の落書きの写真を掲載して、「すさんだ心根の日本人」と訴えましたが、自分が落書きをしたことがバレて、辞任しました。

 なかなかうまく自虐史観を植え込めないところで、渡辺雅隆社長は、吉田清治を登場させ、「済州島で慰安婦強制連行」の記事を書かせました。南京大虐殺の証人は、マギー・ベイツという嘘つき宣教師でしたが、吉田清治は日本人で、「自分は加害者だ」というのですから、信憑性がありました。しかし、アメリカ軍が朝鮮人慰安婦に聞き取り調査をしたところ、「自分たちは単なる売春婦で、生活の収入も保護されていたし、自由だった」という答えだっので、矛盾は隠せませんでした。

 「見かけ」に弱い日本人を、どうやって騙すのか。阪神淡路大震災で、「死ななくてよい2000人の市民を殺した」(石原慎太郎)という、社会党の首相が簡単に騙されました。彼は、50回目の終戦記念日に、「日本は国策を誤り、戦争への道を歩み、植民地支配と侵略によって、アジア諸国の人々に、多大な損害と苦痛を与えました」と「村山談話」を発表しました。どう国策を誤ったのか、いつ植民地支配をしたのか、何の説明もありませんでした。

 村山首相は、ドイツのワイツゼッカー首相の85年演説、「過去に目を閉ざす者は、現在にも盲目となる」という名言を自分もやりたかったのでした。しかし、ワイツゼッカーは、「全部ナチスのせいだ」と言っていて、「私たちドイツ人に謝罪するいわれはない」と、戦争責任や、賠償義務を拒否した人です。過去に目を閉ざしているのは、ドイツ人でした。ゲルマン民族のユダヤ人虐殺は、ナチスに始まったことじゃない…ずっと、皆殺し、火あぶりを繰り返してきました。

 なんでワイツゼッカーになろうとしたのか。原稿を作ったのは、河野談話も作り、後に、東芝の監査となって粉飾決済にかかわった、谷野作太郎でした。 GHQのマッカーサー司令官は、アメリカの議会で、「大東亜戦争は、窮地に立たされた日本が、やむにやまれずに戦った自衛のための戦争であった」と証言をしたのです。その「自衛のための戦争」を、「侵略戦争」だとしたのが、村山談話でした。英雄となろうとした、日本のワイツゼッカーは、日本を嘘で辱めました。

 その後、朝日新聞は、吉田清治がうまくなかったので、場所をソウルに変えて、記者の植村隆に「金学順物語」を書かせました。何のことはない、親せきに身売りさせられた、売春婦の証言なのですが、中央大学の吉見義明教授が、「日本軍関与」「慰安婦は性奴隷」と書きました。そのため、韓国に訪問する予定の宮澤喜一首相は、驚いて謝罪します。それに、河野談話、村山首相の閣議決定で、日本人は、「20万人を性奴隷にした皇軍」という。自虐史観を受け入れました。

それを突き崩したのが、第二次安倍内閣でした。内閣官房副長官であった石原信雄への聴取から、河野談話の嘘を暴き、「朝日新聞は、吉田清治という詐欺師の嘘を広めた」と糾弾し、朝日新聞も嘘を認めました。あとは、河野洋平、中江利忠を証人喚問すればいいところで、岸田外務大臣が、ソウルに出向いて、「日本軍関与」を認めるような発言をしてしまいます。慰安所の保護という意味だとしても、相手側には、「性奴隷にした」と受け止められかねない失態でした。


 「見かけ」で人は判断してしまいますから、「真実」はなかなか分かってもらえないものですから、アメリカ人や、中国人、韓国人の策略に引っかからないように、もう少し賢く、真実を良く見抜いて、対外的には行動すべきです。そうしないと、日本人は、見かけに騙された挙句に、地球上から消えて行ってしまいます。子孫が生き残るために、もう少し賢くあってほしいものです。

 









 

















 

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